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物件取得・許認可の流れ

1.物件取得について

お店を開くための物件を確保するにあたっていくつかのステップが必要になりますのでここで説明していきます。

■コンセプトを考える

まず物件を考える上で、どのようなお店を作りたいかしっかり考えましょう。
コンセプトや規模などについて、5W1Hで考えてみましょう。

 WHY・なぜーーーなんのために店を開業するのか
 WHAT・なにをーーーなにをお客さんに提供するのか
 WHERE・どこでーーーどの立地で、どのようなエリアで開業するのか
 WHEN・いつーーーいつ店を開業するのか
 WHO・だれにーーーどんな仲間とどのターゲットを狙って店を開業するのか
 HOW・どうやってーーーどのように、どれくらいの予算で店を開業し運営するか

■予算を考える

物件を取得する費用は以下のようなものがかかります。

  • 仲介手数料
  • 保証金
  • 礼金
  • 前家賃1ヶ月分
  • 前管理費・共益費1ヶ月分
  • その他費用
    • 火災保険
    • 保証会社の保証委託料
    • 看板設置費用・使用料
    • など
  • 居抜きの場合、造作譲渡費用(無償の場合もあります)
    ※居抜とは、以前に入っていたお店の造作設備が残っている状態をいいます。

また、物件を取得後に以下の項目に費用がかかります。

  • 居抜きを一部変更したり作り変えたりする場合
    • 改修工事費用
  • スケルトン(作り付けの造作物がなにもない、裸の状態。上の画像のような状態)の場合
    • 内装工事費用(壁や床、照明、音響設備など)
    • 厨房機器購入代(シンクや給湯器、冷蔵庫など)
    • 家具購入代(テーブルや椅子など)
  • その他
    • 食器や棚などの什器費用など

これらの費用に注目して、開業したい地域や大きさ、設備に合わせた物件を実際に検索してみましょう。
そうすることで具体的な予算が金額として見えてきます。

■商圏の検討および調査をする

商圏とは、「お店のターゲット層が生活している範囲」のこと。業種や業態が異なれば、商圏も異なります。
コンビニの商圏は非常に狭く、デパートの商圏は非常に広いと考えることができます。

例えば、東京都の飲食店の場合は、住宅地の多い駅前の喫茶店であれば、その駅の利用者もしくは 1-2駅隣の利用者まで 、渋谷や恵比寿など繁華街のレストランであれば、そのエリアの企業に勤める社会人を中心に首都圏の幅広い人々まで、ロードサイドのファミレスならば車で30分圏内の人々まで、というように立地や業態によって商圏の範囲は大きく異なります。もちろん有名になれば、電車や車で数時間かけて通う人もいるため、商圏はさらに広くなるでしょうが、初めはそこまで広く考えない方がよいでしょう。

また、都内の繁華街のナイトビジネス(バー・クラブ・スナックなど)の場合は、その街や付近にある企業に勤める社会人が主な対象になるでしょうが、住宅街の駅前にバーやスナックを出す場合は、その駅の利用者もしくは 1-2駅隣の利用者までと考えた方がいいでしょう。

ナイトビジネスの場合は、お店の場所よりも、人にお客が付く可能性が高いので、新規開業以前に働いていたお店などで、固定客が付いていれば、あまり遠すぎない距離であれば、来てくれる可能性も高いですが、新規の客を掴む場合は、商圏を意識した方がよいでしょう。

<実際の調査>

実際に出店予定のエリアの「通行の流れ」を確認することはとても大切です。徒歩圏内であれば店前だけでなく、近隣の路地裏まで、車移動であれば様々な方向からお店に向かってみるなど、実際に徒歩や車で移動しながら調査することが大事です。同じエリアでも通行量の多い道とそうでない道が明確になり、より正確な商圏の見極めができるようになるからです。

■事業計画を作る

これらの考えたことを元にして事業計画を作ります。
事業計画を作る上での必須項目は、以下のとおりです。

  • 開業の目的
  • 開業の動機
  • 業種および業態
  • 採算性・予算

■実際の契約・開業までの流れ

ここからが実際の物件探しです!

  1. 情報収集
    • 当サイトのような物件情報サイトや街の不動産業者に直接出向き、物件を探します。
  2. 内覧・内見
    • 物件情報を探して、気になる物件があったら不動産業者に連絡し、内見の予約を入れて、実際の物件を見に行きましょう。
    • 内見の際には、不動産業者に物件の設備や電気ガス等の容量などの確認を行い、やりたいお店が本当にそこでできるかの確認が必要です。
  3. 検討
    • ご自身の計画しているお店を、見に行った物件でやることを想像してみましょう。また、業種にもよりますが、時間帯を変えて出店予定物件の周辺調査(通行量など)などもした方がよいです。
    • 物件の場所やレイアウト等に問題がなければ、不動産業者に物件の諸条件(経済条件だけでなく、工事条件等も)の確認を行いましょう。
  4. 申し込み
    • 最終的な契約では有りませんが、借りたい物件を予約するというような意味で「申込書」を不動産業者経由で貸主に提出します。申込書には借主希望者(ご自身)のお名前・勤務先・ご住所・年収・やりたい業種などを記入します。
    • この申し込みの際に「申込金」や「手付金」などの支払いが発生する場合があります。
      • 「申込金」 – 申し込みでは必ず契約しなければならないという法的拘束力は有りません。ですが貸主を不利益から保護する目的で、この申し込み自体が冷やかしではなくちゃんとした意思のもとに申し込んでいますよということを示すために「申込金」というシステムがあります。この申込金は契約に至らなかった場合は、速やかに全額返金されます。
      • 「手付金」 – 申込金と同じく貸主を不利益から保護する目的のお金ですが、様々な法的性質を持った手付金があり、店舗契約においては契約の一部履行とみなされて、契約不成立時に返却されないものがあります。この点についてはトラブルにならないためにも、申込をする不動産業者にによく確認してから支払ってください。
  5. 審査・承認
    • 申込書の内容を元に貸主や管理会社が審査を行います。貸主が自分の不動産を借主に貸す上でとても大事なステップです。
    • 審査承認の連絡があったら、精算書を受け取り、契約金額(保証金など)の明細を聞きます。
    • 契約金の内訳としては、以下のようなものがあります。
      • 保証金
      • 礼金
      • 損害保険料
      • 仲介手数料
      • 前家賃
      • 管理費など
  6. 契約
    • 契約時に必要な書類(一例)
      • 印鑑証明書
      • 住民票
      • 実印 など
    • 重要事項の説明、契約書の読みあわせを行い、署名捺印をします。
    • なお、原則として契約日の前日までに、契約金員を不動産業者指定の銀行口座に支払いを行います。
  7. 引渡し
    • 契約書記載の引渡し日に物件の引き渡しとなり、鍵を渡されます。
  8. 内装工事
    • 内装工事を行う場合は、不動産業者に「内装工事後の平面図」「工事予定表」などを事前に提出の上、貸主の承諾後に、工事をしましょう。工事を行う場合は、近隣テナントに挨拶に行くことが工事中のトラブルを防止するのに役立ちます。
  9. 必要な許認可の取得
  10. オープン

2.開業に必要な許認可について

お店を開くためには業態によって、保健所の許可や警察の許可・届出が必要になります。
特に、水商売の許認可は複雑ですので、許認可について解説しているこちらのウェブサイト (当サイトの提携サイト(水商売開業.COM)) をごらんください。

■必要な許認可

○キャバクラ・ホストクラブ

 飲食店営業許可・風俗営業1号許可

○バー

 飲食店営業許可・深夜酒類提供飲食店営業届出(0時以降も営業する場合)

○ガールズバー

 飲食店営業許可・接待をするか否かによる(深夜酒類提供飲食店営業届出、風俗営業1号許可など)

○スナック

 飲食店営業許可・ 接待をするか否かによる (深夜酒類提供飲食店営業届出、風俗営業1号許可など)

※「接待」とは何かついては、提携サイト(水商売開業.COM)のこのページで解説してあります。

■許認可を受けるにあたって取得が必要な資格

必要な資格には取得までに時間がかかるものもあるのでできるだけ早めに準備しましょう。

○食品衛生責任者

飲食店開業の際に各店舗に必ず1人必要で、保健所へ営業許可を申請する際に食品衛生責任者の届け出が必要です。
各都道府県の食品衛生協会の開催する講習を受講することで食品衛生責任者の資格が取得できます。
ただし調理師免許や栄養士免許を持っている場合は受講の必要はありません。

資格は全国共通の資格なのでどの地域で取得したものでも有効です。
保健所への営業許可の申請時には食品衛生責任者手帳、または調理師免許状や栄養士免許状が必要となります。
この資格の取得には6時間程度の受講が必要となり、講習を予約する必要があるため、早めの取得がおすすめです。

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